GINZA SIXの吹き抜けに浮かぶBIG CAT BANG。宇宙船の上を二匹の猫が飛び、各階の建築が広がる。

01 / 36作品世界

YANOBE
KENJI

GINZA SIX, TOKYO · 2024–2025

想像した未来を、現実の空間へ。

主な受賞歴 / 1993—2022

ヤノベケンジの
受賞歴

大阪文化賞、京都府文化賞など過去の受賞作品

受賞・顕彰

  1. 2009

    大阪文化賞

    現代美術分野での活動を顕彰。

    作家略歴 ↗
  2. 2012年度

    京都府文化賞 功労賞

    京都府による文化功労への顕彰。贈呈は2013年。

    作家略歴 ↗
  3. 2022

    大阪市市民表彰 文化功労

    大阪市による文化活動への表彰。

  4. 1993

    五島記念文化賞 美術新人賞

    作家本人への顕彰。

    作家略歴 ↗
  5. 1999

    咲くやこの花賞

    美術部門での受賞。

    作家略歴 ↗
  6. 2011

    タカシマヤ美術賞

    第21回、作家本人への顕彰。

    作家略歴 ↗
  7. 2016

    京都美術文化賞

    作家の活動に対する顕彰。

  1. 2005

    《Villa TORAYAN》

    第21回現代日本彫刻展 宇部興産株式会社賞。作品への賞。

    宇部市の受賞作写真を見る ↗

《Villa TORAYAN》の第21回展は2005年開催。作家公式略歴では受賞年を2006年と記載しているため、ここでは展覧会の開催年で表記しています。

工房で制作中のSHIP’S CATに囲まれて立つヤノベケンジ。

ヤノベケンジ現代美術家 / 1990年から活動

02 / 36作家紹介

リアルを追求したスタイル

ヤノベケンジ · 現代美術家

現代美術家ヤノベケンジ。1990年、機械彫刻《Tanking Machine》で活動を始めた。再生を願う子ども像、街を旅する猫へ。彫刻、キャラクター、建築や公共空間を横断して、見る人が入れる世界をつくっている。

1990年に最優秀作品賞を受けた《タンキング・マシーン》の機体の細部。

1990 / 受賞作品

TANKING
MACHINE

タンキング・マシーン

生理的食塩水に浮かぶ体験をつくる機械彫刻。第1回キリンコンテンポラリーアートアワードの最優秀作品賞を受賞。現在は金沢21世紀美術館が所蔵する。

海外での活動

世界を舞台に、
作品をつくる。

生存装置から猫の守り神へ。 作品は各地の美術館、展覧会、 街で姿を変えながら紹介されてきた。

上海の公共空間に設置された《SHIP’S CAT (Sailor)》。
SHANGHAI / 2018中国・上海 / 公共空間への設置
パリで展示された《SHIP’S CAT》。
PARIS / 2018フランス・パリ / 展覧会
台湾・屏東の個展会場で展示された《SHIP’S CAT》シリーズ。
PINGTUNG / 2023台湾・屏東 / 個展
海外での主な実績

都市を横断した展示・設置・所蔵を、種別を分けて記録する。

  1. 1996

    BORDEAUX / FRANCE

    展覧会

    CAPC Musée d’art contemporain

    Traffic

    CAPC現代美術館の国際グループ展に参加。

    記録 ↗
  2. 1997

    SAN FRANCISCO / USA

    個展

    Center for the Arts / Yerba Buena Gardens

    Survival System Train and Other Sculpture

    Yerba Buena Gardens内 Center for the Artsでの個展。生存装置の時代を海外へひらいた。

    記録 ↗
  3. 2005

    NEW YORK / USA

    展覧会

    Japan Society

    Little Boy

    Japan Societyの企画展に参加。日本の戦後美術とサブカルチャーを扱う展覧会で紹介された。

    記録 ↗
  4. 2008

    NEW YORK / USA

    展覧会

    International Center of Photography

    Heavy Light

    International Center of Photographyの日本の写真・映像表現を紹介する展覧会に参加。

    記録 ↗
  5. 2012

    KYIV / UKRAINE

    国際展

    Mystetskyi Arsenal

    ARSENALE 2012

    第1回キーヴ現代美術ビエンナーレに参加。

    記録 ↗
  6. 2017—18

    METZ / FRANCE

    展覧会

    Centre Pompidou-Metz

    Japanorama

    Centre Pompidou-Metzの展覧会で《Atom Suit Project – Desert》を紹介。

    記録 ↗
  7. 2018

    PARIS / FRANCE

    展覧会

    Carrousel du Louvre

    SHIP’S CAT

    Carrousel du Louvreでの展示。《SHIP’S CAT》と堀木エリ子との共同制作作品を発表。

    記録 ↗
  8. 2018

    SHANGHAI / CHINA

    公共空間への設置

    SHANGHAI

    SHIP’S CAT (Sailor)

    上海の公共空間に猫の守り神を設置。

    記録 ↗
  9. 2018

    PARIS / FRANCE

    美術館所蔵

    Centre Pompidou

    所蔵:《Emergency Escape Pod – E. E. Pod 1》

    《Emergency Escape Pod – E. E. Pod 1》が美術館のコレクションに入る。所蔵の記録。

    記録 ↗
  10. 2021

    HONG KONG / CHINA

    美術館所蔵

    M+

    所蔵:《Torayan Head Train》

    M+が《Torayan Head Train》を所蔵。

    記録 ↗
  11. 2022

    GWANGJU / KOREA

    展覧会

    Asia Culture Center

    BANDI WALK

    Asia Culture Centerのメディアファサード企画に参加。

    記録 ↗
  12. 2023

    PINGTUNG / TAIWAN

    個展

    Seaside Museum

    SHIP’S CAT in Pingtung

    Seaside Museumで台湾初の個展。《SHIP’S CAT》の複数の姿を展示。

    記録 ↗
  13. 2025

    AUXERRE / FRANCE

    展覧会

    Abbaye Saint-Germain

    Quête d’infinis

    Centre Pompidouとの共同企画展で、所蔵作品《Emergency Escape Pod – E. E. Pod 1》を展示。

    記録 ↗
  14. 2025

    SINGAPORE

    展覧会

    Mizuma Gallery

    ART BIT MATRIX

    Mizuma Galleryの展覧会で、彫刻とゲームを接続する共同制作を発表。

    記録 ↗

海外の主な展示と設置、所蔵を紹介しています。写真のある都市はその写真へ、それ以外は記録へ移動します。

ISSEY MIYAKEとの協業作品《Queen Mamma》。着衣室になる彫刻。QUEEN MAMMA / 2002

作品の原点と変化

未来の廃墟から、
街の守り神へ。

解体中の大阪万博跡地で見た風景が、作品の出発点となった。その問いは、時代と出会う場所に応じて姿を変えていく。

チェルノブイリでのAtom Suit Project
01

生存

未来の廃墟から

大阪万博跡地で遊んだ少年は、解体される未来を見た。1990年代には、生き延びるための機械を実際に制作する。

根拠資料 ↗
太陽を掲げるSun Child
02

再生

現実の傷を見て

1997年、放射線を感知するスーツでチェルノブイリを訪ねた。やがて問いは、生存から再生と希望へ移る。

根拠資料 ↗
宇宙船と猫によるBIG CAT BANG
03

世界をつくる

物語を街へひらく

猫の守り神、巨大彫刻、湖に浮かぶ島。作家の想像を、誰もが出会える場所と体験へ変えていく。

根拠資料 ↗

ヤノベケンジの作品世界

ヤノベケンジ
これまでの 軌跡

過去数十年の作品を振り返る

35年以上の変化を辿る ↘
大阪中之島美術館の黒い外壁の前に設置されたSHIP’S CAT (Muse)。

03 / 36作品世界

美術館の守り神に
なった猫。

SHIP’S CAT (MUSE) · OSAKA

作品 / 制作年SHIP’S CAT (Muse) · 2021年

場所大阪市北区 / 大阪中之島美術館

ストーリー2022年に開館した美術館と館内のパサージュを行き交う人々を見守るために制作された。

作品の意図堂島川に面する美術館の象徴となり、世界への発信を見守る猫の守り神。

根拠資料 ↗
宮沢湖の水面に浮かぶ、猫の形をしたSHIP’S CAT ISLAND。

04 / 36作品世界

物語の中へ、
足を踏み入れる。

SHIP’S CAT ISLAND · HANNO · 2025

作品 / 制作年SHIP’S CAT ISLAND · 2025年

場所埼玉県飯能市 / メッツァ・宮沢湖

ストーリーハイパーミュージアム飯能の開館展で、宮沢湖の水面に浮かぶ作品として発表された。

作品の意図宇宙猫が休む島として構想され、来場者が船で近づき、会期中は作品へ上陸できた。

根拠資料 ↗
チェルノブイリの観覧車と、黄色いAtom Suitを着た人物。

05 / 36作品世界

未来はかつて、
廃墟の姿をしていた。

私たちは、どう生き延びるのか。

放射線を感知するスーツをまとい、ヤノベはチェルノブイリへ向かった。想像の中にあった「未来の廃墟」が、現実と重なる。

06 / 36創作の原点

「未来の廃墟」が、
少年の原風景になった。

Expo '70 site · Osaka

幼いころ、解体中の大阪万博跡地で遊んだ。未来を約束した建築が廃墟になっていく光景を、本人は「未来の廃墟」と呼ぶ。その記憶が制作の原点になった。

初期作品Tanking Machineの展示記録。

07 / 36創作の原点

最初の作品世界は、
一つの容器から。

TANKING MACHINE · 1990

作品 / 制作年Tanking Machine · 1990年

場所京都 / Art Space NIJI(初個展)

ストーリー初個展で発表した機械彫刻。作品を鑑賞するだけでなく、内部で体験するかたちをとった。

作品の意図体温に近い生理食塩水を満たしたタンクに入り、浮遊しながら感覚を変える。生存装置を身体で経験する作品。

根拠資料 ↗
Survival System Trainの横長の全体像。

08 / 36創作の原点

生き延びるために、
機械は何ができるか。

SURVIVAL SYSTEM TRAIN · 1992–1997

作品 / 制作年Survival System Train · 1992–1997年

所蔵先豊田市美術館所蔵

ストーリー酸素、水、生活道具を積む、移動型のサバイバル装置として構想された。

作品の意図酸素、水、生活道具を積む私設列車。生存に必要な機能を、現実の機械のかたちへ置き換えた。

根拠資料 ↗
チェルノブイリの劇場で黄色いAtom Suitを着た人物が座る。

09 / 36創作の原点

生存への問いを、
身にまとう。

ATOM SUIT PROJECT · CHERNOBYL · 1997

作品 / 制作年Atom Suit Project · 1997年

場所ウクライナ / プルィープヤチの旧映画館

ストーリーチェルノブイリ事故後に無人となった都市を訪れ、想像してきた「未来の廃墟」を現実の場所で確かめた。

作品の意図放射線を検知するスーツを着て、社会の不安を身体の感覚へ引き寄せた。

根拠資料 ↗

10 / 36創作の原点

生き延びる、その先へ。

チェルノブイリで見たのは、空想の廃墟ではなく、そこで生きる人々の現実だった。作品の問いは「どう生き延びるか」から「どう立ち上がるか」へ移っていく。

Viva Riva Project: Standaの記録写真。

11 / 36創作の原点

そして、人形は立ち上がった。

VIVA RIVA PROJECT: STANDA · 2001

作品 / 制作年Viva Riva Project: Standa · 2001年

所蔵先金沢21世紀美術館所蔵

ストーリーチェルノブイリの保育園跡で見た人形と、壁に描かれた太陽から着想した。

作品の意図放射線を感知すると人形が立ち上がり、太陽が明るくなる。再生を機械の動作に託した。

根拠資料 ↗
初期のトらやん像。

12 / 36創作の原点

物語に、新たな
語り手が加わる。

TORAYAN · 2004

作品 / 制作年Torayan · 2004年

ストーリー父親が使っていた腹話術人形「トらやん」を、作品世界へ。

作品の意図子どもと大人の境界を横断するキャラクターが、巨大化し、別の作品へ物語を広げていく。

根拠資料 ↗

13 / 36創作の原点

世界の変化を形に

生存 · 目撃 · 目覚め · 守護 · 航海 · 想像

密閉された生存装置から、立ち上がる人形、希望の子ども、旅する猫、宇宙の物語へ。35年以上の作品は、ひとつの問いが形を変え続けた軌跡としてつながる。

Giant Torayanの全体と展示空間。

14 / 36希望を託す彫刻

高さ7メートル。
子どもを守る巨人。

GIANT TORAYAN · 2005

作品 / 制作年Giant Torayan · 2005年

所蔵先大阪中之島美術館所蔵

ストーリー腹話術人形《トらやん》から発展し、高さ7.2mの機械彫刻になった。

作品の意図子どもの命令に従い、歌い、踊り、火を噴く。想像上の守り手を現実のスケールにした。

根拠資料 ↗
稼働するGiant Torayanの記録写真。

15 / 36希望を託す彫刻

歌い、動き、炎を放つ。

作品 / 制作年Giant Torayan · 2005年

所蔵先大阪中之島美術館所蔵

ストーリーキャラクターが動作と声を持つ存在へ発展した。

作品の意図歌と動き、火を噴く仕組みまで備え、キャラクターが現実の場で振る舞う。

根拠資料 ↗
大阪の川を進むLucky Dragon。

16 / 36希望を託す彫刻

彫刻が、美術館を
飛び出した。

LUCKY DRAGON · AQUA METROPOLIS OSAKA · 2009

作品 / 制作年Lucky Dragon · 2009年

場所大阪市内の河川 / 水都大阪2009

ストーリー水辺の再生をテーマとする催しのため、遊覧船を改造。大阪の川を実際に巡航した。

作品の意図第五福竜丸の記憶も重ねた「幸運を運ぶ龍」。危機の象徴を、水都の再生を願う存在へ変えた。

根拠資料 ↗
ヘルメットを脱ぎ、小さな太陽を持つSun Child No.3。

17 / 36希望を託す彫刻

ヘルメットを脱ぐ、
その瞬間。

SUN CHILD · 2011–2012

作品 / 制作年Sun Child No.3 · 2012年

場所大阪府茨木市 / 南茨木駅前ロータリー

ストーリー東日本大震災と原発事故の後、ヤノベの故郷・茨木のモニュメントとして設置された。

作品の意図ヘルメットを脱ぎ、放射能を示す計器がゼロになった子どもが小さな太陽を掲げる。

根拠資料 ↗
神戸の街に立つSun Sister。

18 / 36希望を託す彫刻

別の街に、
もう一つの太陽。

SUN SISTER · KOBE · 2015

作品 / 制作年Sun Sister · 2015年

場所神戸市 / 兵庫県立美術館・ミュージアムロード

ストーリー阪神・淡路大震災から20年のモニュメントとして設置された。

作品の意図《Sun Child》の姉のように、太陽を手に持ち、災害からの復興と再生を見守る。

根拠資料 ↗
博多の宿泊施設に置かれた初期のSHIP’S CAT。

19 / 36作品の旅

守り神は、海へ旅立つ。

SHIP’S CAT · HAKATA · 2017

作品 / 制作年SHIP’S CAT · 2017年

場所福岡市博多区 / WeBase博多

ストーリー港を持つ博多のホステルに、旅人を導く守り神として制作。建物の内と外をつなぐ。

作品の意図船旅で人と荷物を守った猫をモチーフに、出会いと安全、次の航海への希望を託した。

根拠資料 ↗

20 / 36作品の旅

一つの守り神が、
さまざまな場所へ。

HAKATA · KAMAKURA · KYOTO · TAKAMATSU · HIROSHIMA

博多では宿泊施設を見守り、鎌倉と京都では異なる姿へ。同じ「旅の守り神」が、行く先の建物や街との関係で変わる。

宇宙猫とLUCA号を立体的に見せるBIG CAT BANGの縦写真。

21 / 36作品の旅

銀座Six SHIP'S CAT

BIG CAT BANG · 2024

作品 / 制作年BIG CAT BANG · 2024年

場所東京都中央区 / GINZA SIX 中央吹き抜け(展示終了)

ストーリーGINZA SIXの中央吹き抜けを、階を越えて物語が見える展示空間に変えた。展示は2025年9月に終了。

作品の意図宇宙船LUCA号と宇宙猫が、生命の起源をめぐる新しい神話を空間に広げた。

根拠資料 ↗
GINZA SIXの吹き抜けを埋めるBIG CAT BANGの別角度。

22 / 36作品の旅

吹き抜けを満たす、物語。

H 6.6 × W 6.3 × D 8.6 M

作品 / 制作年BIG CAT BANG · 2024年

場所東京都中央区 / GINZA SIX 中央吹き抜け(展示終了)

ストーリー複数階を見渡せる吹き抜けに、高さ6.6m・幅6.3m・奥行8.6mのインスタレーションが現れた。

作品の意図宇宙猫の物語を、建築と同じスケールで目撃する体験へ変えた。

根拠資料 ↗
宮沢湖に浮かぶSHIP’S CAT ISLANDを別の角度から見た写真。

23 / 36作品の旅

水面の SHIP'S CAT

SHIP’S CAT ISLAND · HANNO · 2025

作品 / 制作年SHIP’S CAT ISLAND · 2025年

場所埼玉県飯能市 / メッツァ・宮沢湖

ストーリーハイパーミュージアム飯能の開館展で、宮沢湖の水面に設置された。

作品の意図《BIG CAT BANG》の宇宙猫が休む島という物語を、水面に浮かぶ巨大な作品にした。

根拠資料 ↗
大阪・北加賀屋MASKの元工場空間に着陸したLUCA号。

24 / 36作品の旅

宇宙船は、再び着陸した。

LUCA : THE LANDING · OSAKA · 2025

作品 / 制作年LUCA: THE LANDING · 2025年

場所大阪市住之江区・北加賀屋 / MASK

ストーリーGINZA SIXで生まれたLUCA号を、元工場の展示空間へ移した。

作品の意図宇宙船が再び「着陸」し、MASKに収蔵された作品と同じ空間で見られる展示になった。

根拠資料 ↗
大阪モノレール大阪空港駅に設置されたステンドグラス『生命の旅』。

25 / 36作品の旅

大阪モノレール     SHIP'S CAT

JOURNEY OF LIFE · OSAKA AIRPORT STATION · 2024

作品 / 制作年生命の旅 · 2024年

場所大阪府豊中市 / 大阪モノレール 大阪空港駅 改札外

ストーリー日本交通文化協会と大阪モノレールの企画で駅に設置。駅を通る人が日々出会う作品となった。

作品の意図ヤノベが原画と監修を担い、生命の旅を全長12.38mのステンドグラスにした。

根拠資料 ↗

26 / 36作品ができるまで

始まりは、この湖。

MIYAZAWA LAKE · HANNO

出発点は埼玉県飯能市の宮沢湖。ヤノベは湖を見て、そこで眠る巨大な猫の姿を思い描いた。実在する地形が、物語をつくる最初の素材になる。

画像生成AIを使って描かれた、SHIP’S CAT ISLAND内部の構想画。

27 / 36作品ができるまで

風景から、構想が生まれる。

構想イメージ · 2024

完成前の内部を考えるための構想画。画像生成AIも用いたこの絵は、完成した作品の写真ではない。現実の場所へ向かう前の、想像の設計図だ。

赤い島内部でヤノベ本人が壁画を描いている制作記録。

28 / 36作品ができるまで

人の手が、
構想を形にする。

SHIP’S CAT ISLAND · 制作風景、2025

制作は人の手で進む。赤い島の内部で、ヤノベ自身が壁画を描く。空想の世界の表面に、作り手の時間と身体が残る。

完成したSHIP’S CAT ISLANDの内部。

29 / 36作品ができるまで

そこへ、人々が入っていく。

SHIP’S CAT ISLAND · 開館記念展、2025

作品は完成して終わらない。会期中、来場者は船で近づき、島の内部へ入った。物語を見つめる人が、物語の中へ移動する。

30 / 36作品が残すもの

展覧会が終わっても、
作品は残る。

展覧会の後も、作品は美術館に所蔵され、都市の風景として残る。ここからは受賞、展示、所蔵、公共空間での活動を、国内と海外に分けてたどる。

日本での活動

作品世界が、
その土地に根づく。

大阪万博跡地という原点から、美術館、駅前、都市の吹き抜けへ。日本で積み重ねた展示と、人々が出会える場所に残る作品。

国内での主な実績

国内展示

  1. 2003
    個展

    国立国際美術館《MEGALOMANIA》

    主要作と新作約40点を展示。

    記録 ↗
  2. 2005
    美術館

    豊田市美術館《キンダガルテン》

    美術館での個展。

    記録 ↗
  3. 2009
    パブリックアート

    大阪《ラッキードラゴン》

    水都大阪の街と水辺に現れた船型作品。

    記録 ↗
  4. 2012
    パブリックアート

    南茨木駅前《Sun Child No.3》

    希望の像が故郷・茨木の駅前に立つ。

    記録 ↗
  5. 2013
    作家と地域

    小豆島《ANGER from the Bottom》

    ビートたけしと共同制作した可動彫刻を美井戸神社に設置。

    記録 ↗
  6. 2015
    パブリックアート

    兵庫県立美術館《Sun Sister》

    神戸の美術館前に立つ公共作品。

    記録 ↗
  7. 2018
    施設への賞

    WeBase博多|福岡市都市景観賞 広告部門賞

    《SHIP’S CAT》を取り入れた施設ファサードへの賞。作家本人への賞ではない。

    記録 ↗
  8. 2021
    美術館 / パブリックアート

    大阪中之島美術館《SHIP’S CAT (Muse)》

    2021年制作。翌年開館した美術館で来館者を迎える。

    記録 ↗
  9. 2024
    美術館

    岡本太郎記念館《太郎と猫と太陽と》

    東京の岡本太郎記念館での個展。

    記録 ↗
  10. 2024
    空間展示

    GINZA SIX《BIG CAT BANG》

    中央吹き抜けでの展示。2025年に終了。

    記録 ↗

31 / 36共につくる

コラボレーション

七つの協業から生まれた作品

湖、宿泊施設、美術館、駅、素材。それぞれの場所や技術と出会うことで、作品の形と人との接点が産まれていった

おにクルのSHIP’S CAT (ONK-1)。

32 / 36共につくる

物語は、フロアを越えて。

ONIKURU, IBARAKI × YANOBE KENJI

作品 / 制作年SHIP’S CAT (ONK-1 / ONK-2) · 2023年

場所大阪府茨木市 / おにクル関連企画

ストーリー《SHIP’S CAT》が、茨木の複合施設で出会える姿へ展開した。

作品の意図猫のキャラクターを、複合施設を訪れる人が出会う物語へ広げた。

根拠資料 ↗
大阪モノレールのラッピング列車『生命の旅号』のデザイン。

33 / 36共につくる

走り続ける、物語。

大阪モノレール / 日本交通文化協会

作品 / 制作年生命の旅 / 生命の旅号 · 2024年・2025年

場所大阪空港駅 / 大阪モノレール車両

ストーリー駅のステンドグラスの図像が、翌年にはラッピング列車の原画にもなった。

作品の意図ひとつの生命の物語が、駅に留まる光と街を移動する車両へ展開した。

根拠資料 ↗

主なコラボレーション / 作品の交点

出会いが、
作品世界を
広げていく。

異なる表現、技術、場所と出会うたび、作品世界は新しいかたちを得てきた。

ISSEY MIYAKEとの協業で制作された、赤い着衣室の機能を持つ彫刻《Queen Mamma》。
01 / 05ファッション × 彫刻 · 2002

ISSEY MIYAKE × YANOBE KENJI

Queen Mamma

クイーン・マンマ

場所東京 / ISSEY MIYAKE FÊTE・MDS|G

新店舗のために、着衣室として使える彫刻を制作。服を着替える行為そのものを、母胎のような空間で生まれ変わる体験へ変えた。

作品資料 ↗
《ANGER from the Bottom》の前に立つビートたけしとヤノベケンジ。背後で化け物の彫刻が水を吐いている。
02 / 05作家との共作 · 2013

ビートたけし × YANOBE KENJI

ANGER from the Bottom

アンガー・フロム・ザ・ボトム

場所香川県小豆島町 / 美井戸神社

古井戸から化け物がせり上がり、水を吐き出す可動彫刻を共同制作。小豆島の美井戸神社に設置された。

作品資料 ↗
光と霧の中で手を広げる、増田セバスチャンと共同制作した巨大な少女像《Flora》。
03 / 05作家との共作 · 2015

増田セバスチャン × YANOBE KENJI

Flora

フローラ

場所京都 / 京都府立植物園で初公開

京都府立植物園で初公開。花の女神と植物園の名に着想を得て、ヤノベの少女像に増田が衣装と花の装飾をデザインし、共同制作した。

作品資料 ↗
米山舞との共同作品《SHIP’S CAT (Sun Carrier)》。黒い猫彫刻の背に円形のアニメーション画面がある。
04 / 05彫刻 × アニメーション · 2024

米山舞 × YANOBE KENJI

SHIP’S CAT (Sun Carrier)

シップス・キャット(サンキャリア)

ヤノベの漆黒の猫彫刻の背に、米山が手がけた太陽をモチーフにするアニメーションを組み込んだ共同作品。

作品資料 ↗
ヤノベケンジが隣に立つ、タカラスタンダードと協業した猫の形の鏡《SHIP’S CAT (Mirror)》。
05 / 05アート × 商品 · 2024

タカラスタンダード × YANOBE KENJI

SHIP’S CAT (Mirror)

シップス・キャット・ミラー

《SHIP’S CAT》をモチーフに、ホーローアートパネルを応用した鏡を共同で商品化。作品世界を日常の空間へ持ち込んだ。

作品資料 ↗

34 / 36これからの作品世界

一つのキャラクターから、
多様なスケール、場所、体験へ。

作品が形を変えた、五つの展開。

モニュメント、守り神、宇宙の物語、入れる島、移動する絵。作品世界はすでに、スケールも場所も体験の方法も変えながら生きている。

JR亀岡駅南口に設置された、鏡面のSHIP’S CAT MISTY。

35 / 36これからの作品世界

物語は、今も続いている。

SHIP’S CAT MISTY · KAMEOKA · 2026

作品 / 制作年SHIP’S CAT MISTY · 2026年

場所京都府亀岡市 / JR亀岡駅南口

ストーリー朝霧に包まれる亀岡盆地の風景から名付けられ、JR亀岡駅南口に設置された。

作品の意図鏡面の身体が周囲の景色や人を映し、人と自然、過去と未来をつなぐ案内役として佇む。

根拠資料 ↗

36 / 36これからの作品世界

次は、どんな世界を
つくろうか。

YANOBE KENJI

作品の次の姿は、まだ決まっていない。新しい場所、新しい技術、新しい物語と出会うことで、現実に触れられる世界が生まれていく。

YANOBE KENJI / 目次

作品 © Kenji Yanobe。掲載写真の参照元はページ末尾に記載しています。